私は2020年3月に、千葉県富津市の金谷にて「田舎フリーランス養成講座」(通称:いなフリ)を受講していました。
受講期間中に4名の講師や運営スタッフの方にインタビューをさせていただいたので、全8回に分けて記事にしていきます。
3人目は、運営スタッフ&料理人を担当していた「しげちゃん」。
「イヤなことはしない」と語るしげちゃんの生き方は、「やりたいことが見つからない・・・」と悩んでいる人へのヒントになるはずです。
・twitter:@shigetyannmann
しげちゃん、本日はよろしくお願いします!
しげちゃんにはフランクな感じでインタビューしていくね。
俺もかっちりしたのは苦手だから、いいよ~。
しげちゃんの生き方はブログなどに書かれてないし、謎に包まれているよね。普段はどんな暮らしをしているの?
人が集まる場所で、誰かが笑顔になる瞬間が好きなんだよね。
だから、イベントの企画とかをしながら生きているよ。
例えば、スマブラ(ゲームの大乱闘スマッシュブラザーズ)大会。
そんなにスマブラが好きじゃなくても来られるように、料理を作ったりコーヒーを入れたりもして。
周りの人がそれぞれ得意なことを組み合わせて、イベントをつくり上げていく感じだね。
自分に関わりのある人・もの・こと・スペースをつなげて、イベントにするのが楽しくて。
イベントを企画しながら暮らしてるんだね!
場所はどこで開催することが多いの?
東京にある知り合いのシェアハウスが多いかな。
Airbnbで他の場所を借りることもあるよ。
そうなんだ~。イベント企画の他には何かしているの?
イベントを開催するために、自分もどこかのイベントに参加することが多いな。
参加者が30人いたとしたら全員と仲良くなるのは無理だから、2~3人としっかり仲良くなる。
そのつながりから仕事をつくれるようにね。
いつも参加したイベントを楽しみながらも、「今後にどうつなげるか?」を考えてるよ。
イベントを企画することと、参加することがお仕事なのかな?
そうそう、イベント企画で得た利益で生きてる。
イベントの参加は誰か誘うと無料だったり、何か手伝ってお手伝い料をもらったりもしているよ。
まさに“イベントオタク”だね(笑)
他に、人の仲介も仕事のうちかな。
知り合いから「WEBサイト制作やライティングの仕事を頼みたいんだけど・・・誰かいい人知らない?」とよく相談されるよ。
へぇ~!人と人をつなぐことが得意なんだね。
会ったときの印象からは意外かもしれないけど、「大人数といるときの自分」と「少人数でいるときの自分」を、意識的に使い分けてるんだよね。
大人数のときは笑いに走るし、少人数のときは深い話にコミットする。少人数の前でボケてもあまり意味がないかなーと思ってて。
その話を聞くと、しげちゃんのイメージが変わってくるね。
他の人ともじっくり話すと、よく「イメージと違う」と言われる。
いろんな人と深く話して「しげちゃんだから頼もう」って思ってもらえれば、どんなことも仕事として成り立つと考えてるんだよね。
しげちゃんは話しやすいから、たしかに私も「これ聞いてみよう」と思うな~。
ささいな会話から仕事にするきっかけを見つけているんだね!
自分にはできないことが多いからこそ、他の人とタッグを組むようにしてる。
“人に生かされている”生き方をしてるね!
ちなみに遊んでいるように見えるだろうけど、ほんとに遊んでます(笑)
みんなから「暇そう」って思われているけど、それが正解だよ。
「忙しいヤツと思われたら負け」で、暇に誇りを持っているから。
暇なのは自分のコンテンツになるよ!
すごい、それはいい考え方だね!
誰かの話を聞きながら「気づいたら仕事になってたな」って形が理想で。
相手から「これやらない?」と営業をかけてもらえるチャンスを増やしたいんだよね。
なるほど。相手からお仕事の依頼をもらえるのは理想だよね。
ところでしげちゃんは、ずっと神奈川で暮らしてきたの?
そうだね。ずっと神奈川で暮らしてるよ。
伊勢原市生まれで、相模原市育ちです。大学も神奈川県内のキャンパスだった。
そうだったんだね。しげちゃんは子供の頃から明るい人だったの?
それが、耳が聞こえない子だと思われていて・・・4歳くらいまでしゃべらなかったらしい。
ひとつのことに没頭すると止まらなくて、ずっと続けている子供で。
2歳くらいに九九表を買ってもらったんだって。
言語がダメだった分、数字に長けてたみたい。今も数字は好きだよ。
小学生になった頃からよくしゃべるようになって、記憶も強く残ってる。6歳ごろまでの記憶はほぼないんだよね~。
小さい頃は水泳をやっていて、小学生では野球、中学生のときはバレーボール、高校生ではハンドボールをやってたよ。
スポーツ少年だったんだね!
今のしげちゃんに近づいたのは、いつ頃からなの?
高校に入学したタイミングで「笑いの取り方」を研究し始めたときかな。
小中学校のときは、自分のやることなすこと全部笑ってくれると思ってて。
周りの人に面白いと思ってもらう、絶対的な自信があったんだよね。
それが高校に入って、同じようにギャグを言ったら相手に「え?」って顔されたんだ。
そのときの微妙な表情はよく覚えてるなー。
「なるほどね、そんな反応もあるんだ」くらいにとらえて、笑いの取り方を考えることにしたけど。
小中学校で笑ってくれた人に対して、ここで心折れるわけにはいかないと思ってたね。
それまでの人間関係が俺に自信を与えてくれて、感謝してるなぁ。
その後は大学受験に失敗して、浪人しても第一志望の大学には受からなかった。
第一志望ではない大学に入学することになって、テンション下がり気味な中でも何ができるか考えたね。
「このままくすぶるのはいけないな、人間関係で経験値を積もう」と思ったんだ。
ただサークルに入ることも、学部の友達との関係もいまいちしっくりこなくて・・・。
それからtwitterとかでイベントを探して、大学の外に出会いを求めるようになったな。
ヒッチハイク・旅をする・富士山に登る・・・と、自分に合うグループも見つかったよ。
大学生の頃からしげちゃんはアクティブだったんだね!
大学に入ってから全国を巡ったり、海外を旅したりするようになったよ。
23歳のときにバイクを購入して、足が手に入ったのも大きいな。
金谷にもバイクで来てたもんね。大学で就職活動はしなかったの?
大学を卒業してからは、知り合いの人から「農業やらない?」「富士山の山頂で働かない?」と声を掛けてもらえることがあって。
就活は全くしてないし、そもそも自分が企業で働いてる姿が想像できなかったんだよね。
「好きなことをする」というより「嫌なことはしない」ことにしてて。
好きなことをするだけに絞ると、疲弊するよなーと思ってる。
嫌なことを排除してから、残ったものをつかみにいくイメージだね。
「嫌なこと以外から選ぶ」って考え方、いいね!
後半では、しげちゃんがいなフリと出会った経緯について聞いていくね。
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ここまで、しげちゃんの生き方や学生時代の経験について伺ってきました。
一般的に「忙しいことが良し」とされる風潮がある中で、「暇なのは自分のコンテンツ」と話すしげちゃんの考えはとても素敵だと思いました。
インタビューは、後半へ続きます!
【後半はこちら】